COLUMN

2025.09.09

コンサルタント散歩

引継ぎの資料について

written by 佐藤 善哉

皆さんが日々の業務やプロジェクトを進めていく際、業務をどのように引き継いでいるでしょうか。今回は、ツールなどを開発した担当者が引継ぎ資料を作成する場合にどのような内容を引き継ぐべきなのかのポイントを整理してみました。

引き継ぐ際のポイントは大きく分けて以下の5つにまとめられます。
① 目的
まずは、どのような目的で作成したツールなのかを記載します。ツールがどの業務に利用されるのかが分からなければ引継ぎをしても活用できません。業務フローやシステム関連図がある場合は、ツールがどの部分で利用されるのかを明記すると分かりやすくなります。

② 環境
ツールをどのような環境で動かすことができるのかを記載します。例えば、インプットファイルやフォルダ構成が必要な場合、どのように配置すべきかを明確にしておきます。後任者が迷わずセットアップできるように、フォルダの場所や本体ツールの格納先を具体的に示します。

③ 操作方法
操作方法を記載するのは当然ですが、それに加えて以下の点を押さえる必要があります。
・画面上で変更すべきパラメータと変更してはいけない部分の明示
・プログラム内に埋め込まれている固定値など、運用上変更が必要となる箇所の明示
こうした情報を記録しておかなければ、運用を継続していくなかでツールが正常に動かなくなるリスクがあります。不具合を起こさないためにも必ず引継ぎ資料に記載します。

④ インプットとアウトプット
インプットやアウトプットのファイルがある場合、その項目の詳細を記載します。特にインプットのどの項目がアウトプットのどの項目に対応しているかを明確にしておくと便利です。プログラムの内容を理解していなくても、ツールが何をもとにどのような内容を出力しているかが分かります。

⑤ 変更履歴
ツールの保守を任される場合、ツールを変更した際にどのように変更履歴を残すかを明記します。ツール担当者によって記録の仕方が異なると後任者が混乱してしまいます。改修日、改修者、変更内容、影響範囲などを統一的に記録するルールを定めることで引継ぎ後も管理がしやすくなります。

以上のポイントを踏まえてツールの引継ぎ資料を作成することで、後任者がスムーズに業務を引き継ぎ安心してツールを活用できようになります。

2025年9月


佐藤善哉のコラム>>>
2024年10月以前のコラムはこちら>>>

一覧へ戻る →

ITシステムの導入や運用に関する
お困りごとがありましたら、
お気軽にご相談ください。

お問い合わせ

お問い合わせ
採用情報