COLUMN

2026.04.21

飛び込んでみよう!

なぜ情シスの通知は読まれなくなるのか①

written by 鶴田 光樹

情シスとして社内にアナウンスを出す機会は現場の実感として以前より増えていると感じます。クラウドサービスの利用が増加する一方で、不具合やインシデント、セキュリティ脆弱性に関する情報に触れる頻度自体が高まっているためです。こうした情報をきちんと共有することは、組織としてのリスクを下げるうえで欠かせない役割のひとつです。

私が常駐している現場でも、これらの情報は主にTeamsを通じて社内にアナウンスされています。ただ、ユーザーが目にしている通知は情シスからのものだけではありません。経理や労務といったバックオフィス部門からの連絡も日常的に流れてくるため、結果として受け取る情報量はかなり多くなっています。

実際にTeamsを開くと、さまざまな種類の投稿が並んでいます。明確に対応が必要なものもあれば、参考情報として共有されているだけのものもあります。発信する側としてはそれぞれに意図があるのですが、受け取る側からするとその違いを毎回きちんと見分けるのは正直なところ難しいと感じます。

その結果、「また何か来ているな」と流し見されるようになり、だんだんと通知そのものへの感度が下がっていきます。これは特定の誰かの問題というよりも、環境として自然に起きてしまうものではないでしょうか。問題は、ここで本来優先して確認すべき情報まで埋もれてしまうことです。重要度の高いアナウンスであっても、他の投稿と同じように扱われてしまえば、見落とされる可能性は十分にあります。

例えば、セキュリティ対応として「パスワード変更」や「PCの再起動」が求められているにも関わらず、それに気づかないまま業務を続けてしまう、といったケースです。こうした見落としは個人の問題というよりも、重要度の高いアナウンスが通知の中に埋もれてしまった結果として発生している側面もあるはずです。

情報は確かに発信されています。しかし、必要な相手に届かず、行動に繋がっていないのであれば、それはセキュリティの観点では「伝わっていない」のとほとんど同じ状態だと言えるでしょう。こうした状況を見ると、「通知が多すぎるのではないか」と感じるのも無理はありません。ただ、現場で運用している立場からすると、単純に数を減らせば解決する話でもないと私は感じています。

むしろ重要なのは、「どのように伝えるのか」という点ではないでしょうか。ユーザーにとって必要な情報が、適切な形で、適切なタイミングで届いているか。その設計が不十分であれば、たとえ通知の数を減らしても同じ問題は繰り返されるはずです。情シスのアナウンスは、「出すこと」自体が目的ではありません。特にセキュリティに関わる情報であればなおさら、ユーザーに理解され、必要な行動に繋がって初めて意味を持ちます。

では、ユーザーにきちんと読まれて、行動に繋がるアナウンスとはどのようなものなのでしょうか。次回は実際の運用を踏まえながら、「読まれる通知」を実現するための設計について考えていきます。

2026年4月


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