COLUMN

2026.08.03

ITコンサルタントの日常

SOCサービスに求めるあと一歩のこと

written by 小早川 豊

昨今、セキュリティ関連の事故・事件が多発しており、企業のセキュリティ強化が盛んに謳われるようになった。もはや、ウィルス対策ソフトやファイアウォール製品の導入だけでは不十分とみなされる時代だ。すでに多くの企業がSOCなり、CSIRTなりと、セキュリティ専門部署を擁立している。

SOCとは、Security Operation Centerの略で、対象のセキュリティ状態を監視し、インシデントや脆弱性検知時に報告、一時対応する部署のことである。また、CSIRTとは、Computer Security Incident Response Teamのことである。検知中心のSOCと異なり、発生したインシデントや脆弱性の対応を行う部署のことである。こちらが企業セキュリティの中核となる。しかしながら、上記を一企業で賄うにはハードルが高い。特にSOCについてはベンダーに外部委託しているケースがほとんどであろう。

今回、このSOCについて感じることがあった。あるセキュリティベンダーより、SOCの商品説明を受けた。いわゆるサービスとしてのSOCで、脆弱性を検知した際、連絡するというものだ。このベンダーのサービスは優秀で、脆弱性を分析して対策の必要性・実行方法をかみ砕いてお知らせしてくれるという。ただ、現場感覚として物足りないと思うところがあった。それはマネジメントの部分である。

先ほど説明した通り、SOCは検知や一時対応が主な職掌で、CSIRTが実際の対応をする。またセキュリティ関連のマネジメントをするのもCSIRTである。しかし、中小企業にとってCSIRT擁立はハードルが高い。擁立されていても、体制図ができただけで、情報システム部に人数も増えず、脆弱性に積極的に取り組むことはしていないのではないだろうか。擁立されていない場合も同様で、情報システム部が従来の人数で対応しているのであろう。

そういった状況なので「サービスとしてのSOC」もCSIRTに一歩踏み込んだ機能があると大変助かる。今回説明を受けたベンダーの製品は、脆弱性の管理画面があるということで、その点はマネジメントに寄与している。しかし、リマインダーなどの機能は弱いようだ。みなしCSIRTであり、人員の不足している情情報システム部にとって欲しいのは、誤解を恐れず言えば、「片手間に」セキュリティ対策を行っても十分な環境が整っている状態である。

このように「サービスとしてのSOC」もCSIRT側に踏み込んだサービスが欲しいと思う。それによって費用も上がってしまう問題もあるのだが…。

2026年8月


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