COLUMN

2026.09.28

飛び込んでみよう!

なぜ情シスの通知は読まれなくなるのか③

written by 鶴田 光樹

前回(2026/7/6)は、社内アナウンスを読んでもらうための工夫として、重要度を分かりやすく示すことや読み手が知りたい情報から順番に伝えることについて触れました。ただ、実際に運用していると、見せ方や文章の構成以前に「そもそもこの情報を全社に流すべきなのか」と迷うことがあります。

例えば、セキュリティに関するアナウンスでは「重要」「要確認」といった表現を使うことがあります。脆弱性や障害、設定変更など、発信する側からするとどれも軽視できるものではありません。そもそも重要できないと判断した情報を、あえてアナウンスすることはほとんどありません。発信する側からすれば、どのアナウンスにも「知らせる必要がある」と判断した理由があります。

しかし、それを毎回「重要」として発信してしまえば、受け取る側からは、結局どれも同じように見えてしまいます。本当に急いで確認してほしい情報を目立たせるには、なんでも「重要」にしないことも必要になります。一方で、情シス側からすると「知らせない」という判断も簡単ではありません。後から影響が判明する可能性を考えると、「念のため共有しておいた方がよいのでは」と考えてしまうこともあります。

私が常駐している現場でも、サービス側から障害や脆弱性について第一報が入ったものの、その時点では影響範囲が分からず、すぐには全社へアナウンスしないことがあります。まずは情シス内で情報を共有し、その後の情報を確認しながら影響を見極めていきます。また、影響があることが分かっていても、そのサービスを利用しているのが一部の部署だけであれば、全社ではなく対象となる利用者に絞って案内することもあります。

このように、全社へ通知しない場合でも、何もしていないわけでありません。情シス内で状況を追ったり、必要な人だけに案内したりと、影響範囲に応じて変えていきます。全社に知らせるべきか迷ったときは、実際の影響範囲や利用者側で何か対応する必要があるか、といったところを見ながら判断しています。もちろん、すべてのケースを同じ基準で判断できるわけではありませんが、「念のため全員に知らせる」以外にも選択肢を持っておくことは大切だと感じています。

情報を漏らさず知らせようとすることはもちろん大切です。ただ、それによって本当に必要な情報まで埋もれてしまっては意味がありません。

2026年9月


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