システム開発プロジェクトにおいてプロジェクトリーダーの役割は非常に重要です。リーダーの働き方がプロジェクトの成否の鍵を握ると言っても過言ではありません。今回のコラムではプロジェクトリーダーがプロジェクトを進めるうえで気を付けることを述べたいと思います。
① 自らの工数に余裕(バッファ)を持っておく
プロジェクトリーダーのタスクは多岐にわたり、多忙を極めることが多いです。ただし、工数に余裕がないと突発的な課題が出てきた時に対応できなくなってしまいます。
プロジェクトリーダーは意思決定や課題解決に注力すべきで、自ら手を動かすべきではありません。手を動かすことが必要な業務は、早めにプロジェクトメンバーや外部のメンバーに割り振るといった思い切りが必要です。
また、プロジェクトリーダーという立場上、様々な会議に呼ばれると思いますが、出席が必須の会議だけに絞りましょう。少なくとも全体の稼働時間の20%くらいは何も予定を入れず、バッファとしておきましょう。
② 業務側とコミュニケーションを絶やさない
週次の定例などで業務側メンバーとは顔を合わせると思いますが、これ以外にも業務側メンバーとコミュニケーションを絶やさないようにします。
システム開発は、業務側が要件を出してそれを元にシステム側がシステムを作るといった単純な一方通行ではありません。システム側の制約によって業務側に要件の優先順位をつけてもらうことや、事業環境が変わって業務側の要件が変更になることもあります。日々のコミュニケーションを双方向で行うことで、業務側が納得するシステム仕様を作ることができます。
③ 重要課題は自ら率先して対応する
システム開発プロジェクトでは大小様々な課題が発生します。プロジェクトリーダーが全ての課題に関わるのは不可能です。システムの納期、品質に影響を及ぼす課題を「重要課題」と定義してプロジェクトリーダーが率先して対応していきましょう。
重要課題と定義し、プロジェクトリーダーが関わることで社内外メンバーはその重要性を認知できます。重要課題は社内外の多くのステークホルダーに関係することが多いので、プロジェクトリーダーが率先して課題解決にあたることによって、課題解決の推進力を高めます。
2025年6月