COLUMN

2025.08.27

失敗しないシステム導入

業務担当者のあるべき姿勢とは?

written by 石井 健作

システム開発プロジェクトにおいて業務側担当者のプロジェクトに関わる姿勢は非常に重要です。業務側担当者のプロジェクトへの関わり方がプロジェクトの成否の鍵を握ると言っても過言ではありません。今回のコラムではシステムで開発プロジェクトにおける業務担当者のあるべき姿勢について述べたいと思います。

① 主体性をもって意思決定する
システムはシステム部門、ベンダーが主体で作るものと考え、傍観者的にコメントだけして意思決定しない業務側担当者だと、なかなか要件や仕様が決まらずプロジェクトは進みません。業務要件、システム仕様を最終的に決定するのは業務側です。業務担当者としては自分事として主体性をもってプロジェクトに関わり、責任をもって意思決定していく必要があります。

② 業務部門間で異なる要件を調整する
近年のシステム導入は複数の業務部門にわたるシステムがほとんどで、各業務部門で要件が異なることもしばしばです。このような場合に業務担当者が要件の調整をシステム側に丸投げすることがありますが、要件調整に時間が掛かったり、結果として全体最適な要件にならなかったりします。このようなことを防ぐためにも業務側担当者は部門間で異なる要件が出てきた場合には、システム側に丸投げはせずに自ら全体最適になるように要件を調整、決定し、プロジェクトを前に進めなければなりません。

一方で、プロジェクトマネジメントの面では、全体最適の視点で要件を調整、決定できる人を業務担当者にアサインすることや、複数部門にまたがるプロジェクトであっても業務側担当者のリーダーを一人決めておく必要があります。

③ 軽重をつけて要件を検討する
システム開発プロジェクトにおいて、業務側が検討しなければならない要件は多岐にわたります。業務上、重要度の低いレアケースの検討に時間を掛けすぎると、スケジュール通りに検討が終わらないということがあります。ですから発生頻度、重要度の視点で軽重をつけて要件を検討していくことが重要になります。ものによってはリリース時には手作業の運用で凌ぎ、その後システム化するかどうか検討して、必要があればフェーズ2として追加開発するということも考えられます。このように業務側担当者は軽重をつけて要件を検討していかなければなりません。

システム側としても業務側担当者が重要度の低いレアケースの検討に時間を掛けているようであれば、重要度が高く、頻度の高い要件から検討を進めるようなアドバイスをすると良いでしょう。

2025年8月


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