COLUMN

2025.10.27

失敗しないシステム導入

「会社から個人へ」の流れとは?

written by 石井 健作

仕事柄、様々なベンダーの方と接する機会があります。以前は同じ会社に所属する方であれば比較的均質であり、一定のスキルが担保されていたのですが、最近は同じ会社に所属する方でも多種多様で、スキルもバラつきが出てきているように感じます。具体的には、同じ会社の同じ単価のメンバーであってもスキル、アウトプットの品質にバラつきがあったり、同じアウトプットを作成するにしても人によって手法、手順、フォーマットが異なったりするなどが挙げられます。

背景としては、IT人材の流動化が進み、IT業界内での転職、もしくはIT業界外からの転職が増えていることが考えられます。かつては新入社員として入社してきた人材を同じ教育プログラムで育成することでスキルを担保できていたのが、転職組が増えることで、異なる教育プログラムを受けてきた、もしくは十分に教育プログラムを受けていない人材が混在することになり、スキルにバラつきが出てきているようです。

また、IT人材が不足している状況の中で売上を確保しなければならず、スキルに見合わない肩書、単価が設定されている場合もあります。IT業界外から転職してきて、いきなりシニアシステムコンサルタントという名刺を持つことになったという「肩書インフレ」を聞いたことがあります。このような状況がシステム導入においてどのような影響をもたらすのかを考えてみましょう。かつてはシステム開発の発注先として、質の高い会社とのチャネルを持っていれば十分でした。この会社に頼んでおけば一定の品質は担保される、失敗しないだろうという感じです。

人材のスキルにバラつきが出てくるとそうはいきません。会社とのチャネルではなく、このチーム、チームリーダーに頼んでおけば大丈夫という、質の高いチーム、チームリーダーとのチャネルを持っていることが重要になると考えます。質の高いチーム、チームリーダーとのチャネルを持っていない場合もあるでしょう。その場合には、ベンダー選定におけるリーダーの評価が重要になってきます。このコラムでも過去に言及していますが、プレゼンテーションと質疑応答は実際にプロジェクトに入るリーダーに実施してもらうこと、プロジェクト中にリーダーは交代しないことを約束してもらうなどです。

このように、このコラムの題名にした「会社から個人へ」の流れが起きていると実感しています。

2025年10月


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