COLUMN

2026.01.13

ITの引っ越し~持っていけば動くわけではありません~

メモリ価格の高騰とこれからについて

written by 古川 恒郎

あちらこちらのITニュース系のWebサイトなどで昨年の12月頃からパソコン用のメモリ価格高騰が話題になっています。続いて年明け以降から春頃までには各パソコンメーカー製品自体もかなり値上げが見込まれるという話題をしきりに目にするようになりました。実際のところはどんな状況かを昨年自分が購入したり見積を取ったりしたメモリやパソコンと同等仕様の製品についていくつか現在の価格をざっと調べてみました。

メモリについては現在のメインストリームはDDR5なので、一世代前の仕様ですがノートパソコン用のDDR4 2333や2666のパルク品の市場価格ですと、昨年秋頃までは製品ごとにばらつきはあるものの、8GBなら5千円、16GBなら1万円札でおつりが出る程度の価格帯に収まっていました。しかし、まだ在庫のある製品の8GBで1万円越、16GBで2万円超と2倍から2.5倍に値上がりしていて、仕様によっては軒並み販売を終了しているものもあります。メモリスロットに空きがあることが前提ですが、これだけ値段が上がってくるとメモリ搭載量の不足を感じてからもう一枚追加することも気軽にはできなくなってくるでしょう。現在の主流のDDR5でも同じような状況です。

パソコンについては最近の事例でも3~4か月過ぎていて、その際と同じ型番の製品が販売終了していたため、同一ラインのCPUや容量が同等のメモリやSSD搭載の仕様をメーカー販売サイトのオンライン見積で構成してみたところ、以前の見積価格と比べてやはり2万~3万円程度上昇していました。メモリメーカーの生産動向が生成AIサービス向けの高スペックメモリ向けに大幅にシフトしたことが今回のパソコン向け製品の品不足と値上がりの主な原因のようです。MicrosoftにしてもAppleにしてもパソコンのローカルなハードウェア上でAI関連の処理をサポートできる方向でOSレベルの開発を進めていて、パソコン側にも搭載メモリの高性能化と大容量化を要求するようになってきています。

そのため、今まではメーカー製パソコンに搭載するメモリは最小構成で8GBが標準でしたが、今年の春以降は16GBが最小構成に変化していき、16GBでも足りないと32GB搭載が当たり前になっていく可能性が考えられます。そうなるとメモリメーカーのメモリチップ生産量が変わらなければその生産量の全体で賄えるパソコンの台数は半分になってしまい、結果としてメモリチップの希少性がますます進み、価格上昇傾向に拍車をかけることになるかもしれません。

この反動として、パソコンのローカル側では生成AI関連の機能サポートをそぎ落とすことで生成AI登場以前の機能に絞り、あえて低スペックのOSとハードウェアという潔い仕様の比較的低価格の製品ジャンルが出てくる可能性も選択肢としては考えられます。そういった製品ジャンルは学校市場でかなり存在感を高めているChrome Bookが既にありますが、各種システムの多くがWebブラウザベースで提供されている環境であればある種GUIを採用したダム端末のようなもので十分という割り切りも必要かもしれません。

2026年1月


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