COLUMN

2024.11.05

失敗しないシステム導入

集中討議を行う際のポイントとは?

written by 石井 健作

システム開発プロジェクトにおいて、要件定義や設計がスケジュール通りに進まず、課題が積みあがっている時、終日3日間程度の時間を取って、業務側、情報システム部門、ベンダーの三者で集中討議を行うことがあります。今回は集中討議を行う際のポイントをご紹介します。

①対面で実施する

最近のシステム開発はリモートの打合せのみで進めることも多く、順調に進んでいる場合にはそれで問題ありません。最初から最後まで一度も対面で会わずにカットオーバーを迎えるプロジェクトもあります。ただし、問題が発生している状況での集中討議は対面で実施すべきです。

要件が決められない、課題の解決策が決まらないということは、メリット・デメリットが拮抗していることが多く、このような場合、業務側、情報システム部門、ベンダーの三者で落としどころ、妥協点を探っていかなければなりません。そのためにはお互いの微妙な反応を感じ取れ、かつ相互にオープンに議論しやすい環境が必要です。この点において、対面はリモートより優れていると考えます。また、人数はできるだけ絞りましょう。人数が多いと議論の進みが遅くなります。意思決定できる最低限のメンバーで実施します。

②ホワイトボードを準備する

集中討議を行う会議室にはホワイトボードを準備します。大きなホワイトボードがない場合には、持ち運べるサイズのホワイトボードもありますので、この機会に買ってしまうのもひとつです。

複雑な課題を議論する際には図解して、お互いに認識を合わせながら進めることが重要です。口頭で議論を進めていき、実は認識がすれていたということはよくある話です。最近ではオンラインツールも充実していますが、図にするスピード感、表現の自由度という観点ではホワイトボードが最も優れているでしょう。また、ホワイトボードを使用する際には、新しいペンを必ず準備しておきましょう。かすれたペンでは描かれた図などが読み取れずストレスが溜まり、快適な議論ができません。

③持ち帰りせずにその場で決めていく

議論の結論は持ち帰りせずに仮決めでもよいのでその場で決めましょう。集中討議の期間で全ての未決定事項を決定するのを参加メンバーの共通目標にします。複数の課題が関連していることが多く、ひとつの課題を持ち帰りにすると芋ずる式に他の課題も未決定となってしまいます。このようなことを防ぐためにも仮決めしていくことが必要です。前述したように決められないということはメリット・デメリットが拮抗しているということです。どちらに決めても結果に大差ないくらいという気持ちで決めていきましょう。

これらのポイントに気をつけることで集中討議を成功させることがきます。

2024年11月


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