MicrosoftのOffice365サービスが生まれた後、Exchange Onlineに切り替えた企業は多いだろう。また、現在メールサーバーをオンプレミスで立てることは少なくなったと感じる。Exchange Onlineは使い勝手がよく、基本機能だけでも満足がいく。しかし、Exchange Onlineにはあまり知られていない機能があり、それを使えばよりユーザーの満足度が上がる。今回はその中から「オンラインアーカイブ」という機能を紹介する。
Exchangeのメールボックスの容量は一人当たり50GBから100GBである。添付ファイルの容量もあるので案外少ない。古いメール等を削除すればよいのだが、それにも時間がかかる。そんな時に有効なのが、オンラインアーカイブである。従来、メールボックスがいっぱいになった際、.PSTファイルを作成してそこに古いメール等を保存し、メールバックスの容量を開放していた。しかし、この.PSTファイルはPC内に保管されるので、別のPCやWEBで見ることができなかった。しかもPCを交換する際に移行を忘れてしまうこともあった。
今回紹介するオンラインアーカイブは、この.PSTファイルの弱点であるローカル保存をクラウド保存にしたものである。クラウドに保存されているので、別のPCから見ることができる。容量も50GBから最大1TBまで増やすことができる。また、ルールを作成すればメールボックスからオンラインアーカイブへの自動仕分けも可能である。例えば、5年前のメールは自動的にオンラインアーカイブに移動するといったことが容易に可能になる。
メールを個別に整理しても容量はさほど減らない。タイムパフォーマンスが悪い作業だ。このオンラインアーカイブに古いメールを一斉に移動するだけでメールボックスの容量を減らすことができる。無理に整理せずともよくなるのだ。古いメールを探したいときは普通に検索すればよい。
このように、Exchange Onlineにはまだまだ使える機能がある。簡単な設定で実現できるものばかりなので、是非皆様も活用していただきたい。
2024年8月