IT系のニュースメディアだけでなく、一般的新聞・雑誌などでもAIの文字を目にしないことがない日々です。ITシステム関連の運用管理に携わっていれば当然この領域と無関係ではいられないわけですが、こういったメディアに取り上げられるのは、大規模なシステムの話がメインで、日々現場にいる者にとっては自分が直接携わるものではなく、クラウドという文字通り雲の上の話がほとんどです。

IT系メディアであればクラウドベースではなく、手元のPCで動くローカルなAI機能に関する話題もそれなりに目にしますが、そういった記事で取り上げられる製品のスペックは、普段使いのPCに比べてCPU・GPU・メモリ等々豪勢なものばかりで、当然価格も豪勢で、通りがかりの量販店で目にしたとしても衝動買いできるレベルではありません。
とはいえ、CopilotやGemini、ChatGPT等、使えるライセンスの範囲では自分の業務で利用する機会は増えてきています。特に以前であれば、
・全体の流れを作成
・個々のステップについての手順を検討
・手順について実機などテスト環境で動作確認
・検証結果で判明した不具合について追加調査
・調査結果に基づいてあらためて検証
といった作業について準備を行う場合には、参考事例や類似事例、機能やコマンドなどに関する公式な資料やGoogleなどの検索ツールを使って情報収集が欠かせませんでしたが、
・何をどうしたいのか
・コマンド操作が必要な場合は、想定されるコマンドやスクリプトを数行
・作業を行う際のソフトウェア・ハードウェアに関する制約・環境
等を具体的に記述して生成AIに質問するとかなり高い精度でプランを提示してもらえるようになりました。
もちろん提示されたプランやコマンド・スクリプトをいきなり実環境で実行するわけにはいきません。提示されたプランに基づいて実際に動作確認を行って発生したエラーや疑問点等について、追加の質問をしてあらためて動作検証を繰り返すことは当然ですが、生成AIを利用する以前であれば行っていたウェブ上での関連情報検索と検討といった部分に要する労力の減少を実感しています。
また、素案としては1行か2行程度を示しただけで出力されてくるコードは、実行時のエラー処理やログの出力等も考慮されています。友人のプログラマーが随分前に、プログラミング作業のほとんどはエラー処理を書いていて、1行で済む簡単な処理でも入力値のチェックと入力エラーに対する処理や処理結果の正常性確認等で何行も必要と話していましたが、まさにその通りの出力です。しかし、体裁としてはそれなりに出力されてきますが、出力内容に目を通して明らかにおかしな部分がないかを確認して、修正がある必要な場合もあるし、素人目で見て大丈夫かなという状態になっても実際にテストしてみるまでは、正常に動作するかは保証外です。
こちらが入力したプロンプトの指示内容が不十分・指示が正確に解釈されない・出力されたコード自体に誤りが含まれている等が原因で、テスト環境での動作検証とエラー修正の繰り返しは、ゼロから手作業で作詞した場合と同様に必須で、本番環境で使用することはまあり得ません。
生成AIを利用する前に行っていた下調べといった作業量は激減したものの、これとは異なるフェーズで時間を要するようになっていて、トータルの所要時間や作業量は大した削減にはなっていないようで、頭と時間を使うところが変わったというのが実感ですが、ある処理について思いついた時点からテストを行えるようになるまでに必要な時間は大幅に削減できて、最初に出力されたコードを雛形として考えれば、動作検証や不足している機能の追加や素案段階では不十分だった仕様の再検討等、以前よりも高い品質を得られる可能性も含め、利用するメリットはあると思います。
2026年6月