皆さんは報告書や提案書などで文章を作成する際に行間を意識していますか。行間はただの文と文の隙間ではありません。上手く行間を使うことで様々な効果を生み出すことができます。
私は提案書などの資料のレイアウト調整をする際にはかなり細かく行間の設定を行っています。行間が詰まっていたり、逆に行間が空き過ぎていても文章は読みづらくなります。タイトルと本文との行間は多めに空けて区別するように、文書の位置づけの違いを意識しながら、またページ全体にどれ位の割合で文章があるのか、図形などがあればそれらとの関連性なども踏まえて設定していきます。適切な行間を設定することで読みやすくなり、読み手に内容がより伝わりやすくなります。
最近はSNSで文章を入力することが増え、文章の在り方も少し前の時代とは変わってきました。SNSでは1行を短い文で構成して、1行空けて次の文と行間をかなりとっている場合が多いと感じます。SNSはスマホなどの小さいデバイスで閲覧することが多いので、詰め詰めの文章ではかなり読みづらくなります。そのため、恐らくSNSが開始された頃は文字が詰め詰めで入っていたものが、小さい画面でも読みやすくするために行間を多くとるようになったのでしょう。読み手が見ている紙面とスマホなどの画面では目に入ってくる情報量が違います。このように、文章が書かれている状況によって適切な行間は異なってくるのです。
さらに、行間は単に文章の行の間(あいだ)という意味だけでなく、「行間を読む」という言葉にもあるように、文章には直接表現されていない真意をくみ取るという意味もあります。例えば、メールを受け取った時に文章をそのままの裏で相手が何を言おうとしているのかを理解することや、上司から指示されていない部分までくみ取って作業するなどです。仕事だけでなく、小説や絵本など行間を読む場面はいろいろあります。資料を作成する際には、実際の行間設定と行間をどのように読んでもらえるかの両方を意識しながら進めることをお勧めします。
上述のように、実際の文章での行間および行間を読ませるための文章やレイアウトは資料作成時に意識すべき重要な要素なのです。どちらの場合でも相手がどう読むか(相手にどう読ませるか)を考えるという点では同じです。どのような場面の文章なのかを踏まえて、行間を効果的に使いましょう。
2025年3月